メールの副業で口座を教えても大丈夫?
メールの副業で口座番号を教えたけど、大丈夫なのか不安になってYahoo!知恵袋や教えてgooで質問している人がいます。
初めてアルバイトをする未成年が、勤務先に口座番号を教えるのが不安だけど大丈夫?という質問をしているのなら可愛いですが(笑)
この場合は「メールするだけでお金をもらえると言われ、つい副業サイトで口座番号を教えちゃったけど大丈夫?悪用されない?」というケースです。
そこで口座番号を悪意のある他人に知られた場合に起こりうるリスクについて調べてみました。
引き出される危険は(ほぼ)ない
銀行の口座番号と名義が知られたところで、暗証番号やパスワードがなければお金を引き出すことは出来ないので、預金を勝手に引き出される危険は少ないようです。
ATM | キャッシュカードと暗証番号が必要 |
---|---|
ネットバンク | ログインパスワードと送金用パスワードが必要 |
銀行窓口 | 通帳と印鑑が必要 |
詐欺サイトでのやり取りで、キャッシュカードや通帳を渡している方はいないと思います。
またネットバンクで送金するには
- ログインパスワード
- 送金用パスワード
両方が必要です。
パスワードは数字だけでなく英字の大文字や小文字、記号などを複雑に組み合わせるので、誕生日などで予測されて送金される可能性も低いでしょう。
さらに送金時にトークンやアプリによるワンタイムパスワードが必要な銀行も多く、そうなると詐欺師には手も足も出ません。
通販を行っている会社が自社の振込先の口座番号や名義をWeb上に明示している例が多いことからも、口座番号や名義を知られることの危険性は低いことが分かります。
口座番号の一部をログインパスワードにしていたり、生年月日を送金用パスワードにしていて詐欺サイトで誕生日を教えてしまったなど、心配な方は念のためパスワードを変更して口座残高の確認をしておきましょう。
振り込め詐欺の共犯者に??
最近、急激に増えている手口です。
口座番号と連絡先が知られていると、被害に合う可能性があります。流行りの(?)お金配りなどは巻き込まれる可能性が高いと思います。
例えば…
あなたの銀行口座に20万円が振り込まれました。その後ショートメールなどで連絡があり「申し訳ありません。間違って20万円を振り込んでしまいました。お手数ですが返金をお願いします。迷惑料として2万円は差し上げます」などと言われます。
そこで返金するため口座番号を尋ねると「また間違いがあるといけないので、直接お金を受け取ります。最寄りの駅まで行きます」と言われます。
来た相手に現金で18万円を渡して、2万円は儲かった…と思っていたら、詐欺の受け子の容疑で逮捕されました!
これは2万円の報酬を受け取って資金洗浄に口座を使わせたり特殊詐欺の出し子になっている形になっているので、下手に現金のやり取りがあれば詐欺の片棒を担いだことになります。
本当に手違いなどで誤送金され返金する場合には銀行を通して組戻しの手続きを取ることが出来るので、うかつに現金を手渡しするのは避けて最寄りの交番に相談してください。
押し貸し詐欺の可能性がある
銀行の口座番号と名義だけではお金の引き出しは出来ませんが、振り込みは可能なので押し貸しという詐欺に合う危険があります。
押し貸しというのは、勝手に銀行口座にお金を振り込んでおいてあり得ないような利息を請求してくる詐欺です。
ただ口座番号と名義だけを知られても連絡先が分からなければ犯人は利息の請求ができないので、いわゆる副業詐欺などで口座番号と本名を知られただけの段階では直接的な被害は発生しません。
勝手に振り込みをされ、「金を貸したから利息を払え」と言われることで初めて押し貸しの被害が発生します。
不明な振り込みがあっただけで何も連絡がない段階では押し貸しと断定できないので、もし心当たりのない振り込みがあったら銀行に問い合わせをして、単純な誤送金であれば組戻しで相手に返金してもらえます。
不明な振り込みがあった後で「金を貸したから利息を払え」という要求があったら押し貸しなので、警察に相談しましょう。
公務員や政治家なら収賄の疑いに
もしあなたが公務員や政治家なら、勝手に送金されると不正献金や収賄の疑いをかけられる可能性もあります。
ただ、公務員や政治家を陥れるために
- わざわざ副業サイトを作り
- そこに本人に登録させて
- 口座番号を聞き出して
- 送金して脅迫する
というのはかなり効率が悪く成功率が低い陰謀論レベルの話なので、可能性はゼロに近いでしょう。
そもそも公務員は基本的に副業禁止なので、騙すなら別の方法を取ると思います。
もし自分が政治家や公務員で、かつ詐欺師とのやり取りの中で自分の身分を話してしまい、さらに口座番号も教えてしまい、詐欺師が収賄が成立ような金額を送金してきて口止め料を要求してきたら…
無理やり考えてみましたが、これも可能性は限りなく低そうです。
政治家なら怪しげな副業に近づかないように注意するのは当然なので、問題にする必要もないと思いたいです。。。
パパ活や愛人手当を装われる
異性からの送金記録があれば、不倫やパパ活などを疑わせることも可能です。
振り込んだ通帳の画像をSNSに掲載したりフォロワーにDMで送信することを匂わせ、金銭を要求するような脅迫が行われる可能性はゼロではありません。
ただ銀行の名義だけでSNSのアカウントを特定するのは簡単ではありません。本名を検索したとしても、よほど珍しい名前でなければ同姓同名の他人はたくさんヒットします。
画像を送り付けた相手が本人である確証もなく、通報されるのがオチです。
犯人側からすれば金銭を振り込んだのに無視され、しかも逮捕されるリスクもあるような脅迫を行う理由は低いでしょう。
詐欺に合いやすいカモのリストに
すぐに直接的な被害に合う可能性は低かったとしても、あなたの情報は騙しやすいカモのリストに載ってしまって登録メールアドレスに何度も詐欺メールが届くようになる可能性があります。
率直なところ、怪しげな詐欺サイトで銀行の口座番号を登録してしまう人は警戒心が低かったりネットリテラシーが低いと言わざると得ません。
これは詐欺師の側から見れば「将来の有望な見込み客」です。
今回は口座番号だけなので今すぐは手出しできなくても、この人は騙しやすい人だと認識されてメールアドレスや氏名などのデータを売買され、本名が記載された詐欺メールが届けばいつか騙される可能性も否定できません。
副業詐欺サイトの利用に使ったメールアドレスは使わないようにして、できれば削除しておいた方がいいでしょう。
クレジットカードの注意点
怪しげな詐欺サイトで何かの支払いにクレジットカードを使ってしまった場合、すぐにカード会社に連絡して引き落としを止めてもらいましょう。
もし引き落とされた後でも、不正利用であると確認されれば返金などの保証を受けられる可能性もあるので一刻も早く相談することをお勧めします。
まとめ
銀行口座を知られたことで今すぐに起きるリスクは少なくても、
- 騙しやすいカモリストへの掲載
- 特殊詐欺に巻き込まれる
- 押し貸し被害の可能性
- 不正献金される(政治家等)
などの危険はあるので、可能であれば口座を解約するか、少なくてもメールアドレスは変更して使わないようにすることが望ましいでしょう。